ご機嫌よう。
人間生活には慣れたかい?
モテたいという動機で行動を起こせる人が羨ましい。
モテたいというのは最も健全な下心だからだ。
15歳頃から、モテることへの興味を一切なくしてしまった。
モテる奴に嫉妬もしなくなった。
あるいは、嫉妬に苛まれそうになるのを誤魔化していたのかもしれない。
あいつはモテたくて高い金払ってオシャレな髪型にしてるから、彼女やセフレの1人くらいいないと可哀想だ。
あいつはモテたくて流行りのファッションに身を包んでるから、色んな女とデートに行けて然るべきだ。
こいつの話は全然つまらんけど、これくらい当たり障りのない会話が女ウケするんだろうな、まあせいぜい頑張れや。
そう言い聞かせて自分のダメな部分と向き合うことから逃げていた部分も大いにあるだろう。
ちなみに、顔がいいとかで自動的にモテてる奴には何も思わなくて、フツメンが頑張って雰囲気イケメンな感じになっているモテ方を馬鹿にしていた。
実際、彼らがどこまでモテ狙いで、どこまで素だったのか今となっては知る由もないが。
少し前までの僕は、モテに繋がる(女ウケ狙ってるっぽい)行動をダサいと思っていた。
具体例を挙げると、
出かける度に髪にワックスを塗る
部屋に観葉植物を置く
興味ないくせに世間の流行を把握する
脱毛をする
アクセサリーを身につける
香水をつける
カラオケでbacknumberの曲を歌う
などなど。
上記に該当する人物を見ては、「何キミ、モテたいの?笑」と心の中でニヒルな笑みを浮かべていたものだ。(言うまでもなく、彼らの方が僕よりモテていた)
別に、モテたくない訳ではなかった。
ただ、それ以上に、モテに行くのがたまらなく恥ずかしかった。
それ程に自意識過剰だったのか、やはり努力する程モテたいという気持ちが元より強くなかったのか。
いつしかモテるというのは大谷翔平と同じようなものになっていた。
大谷翔平になりたいかと言われれば、勿論なりたい。
じゃあ大谷翔平と同じ努力をしろと言われたら、潔く諦める。
労力を割くほどモテに対する情熱はないし、そもそも自意識過剰すぎてスタートラインにさえ立てない。
別にそれで良かったし、今更モテ狙い路線に変更するのも面倒だ。
だからオナニーライクな生活を送ってきた。
行動、言動の判断基準は他人から好かれるかどうかよりも、自分がそれを許容できるかどうかに委ねてきた。
こう言うとカッコよく聞こえるが、常人離れした才能や尖った個性もない凡人がそうやって過ごしていたら、ただの自堕落な変態になる。
ストイックならばオナニーライフもありだが、所詮凡人では文字通り自分を慰める行為にしか帰結しない。
どうせ僕もモテようとしていた彼らも、人間としての中身はスカスカなのだから、ハリボテの清潔感やコミュ力とやらを手に入れて、愛想よく過ごしていた方がはるかに健全だろう。
モテたいから、頑張る。
その軸で生きてゆけたら、余計な悩みで時間をつかわずに済んだかもしれない、苦しいことから逃げずにいられたかもしれない、もう少し速く長く走れたかもしれない、もう一踏ん張りできたかもしれない。
モテたい、即ち、多数に好かれたい。
これは、れっきとした下心である。
だが、モテるための努力に不健全なものはない。
身だしなみを整え、心身を鍛え、教養と経済力を身につけ、万人に優しく愛想よく過ごす。
立派な社会人の完成だ。
僕のチンケな個性やプライドなど、資本主義社会ではクソの役にも立たない。
だからもう、負けを認めるよ。
まあ俺みたいな半勃ちオナニー野郎のことなんて誰も気にしちゃいないと思うけど。
お前らのファッションも、髪型も、会話も、ノリも、行動も全部キモいと思ってたけど俺が間違ってた。
俺の分まで真っ当で幸せな人生送ってくれよな。
なんてな。
女ウケなんて今も昔もクソ喰らえだタコ。
自分の判断軸を他人に委ねるぐらいなら軸なんていらねえよボケナス。
女と大人に好かれるやつぁ、どんなに社会的地位とステータスで上にいようが俺がボコボコに叩いてやんよ、覚悟しとけこのダボ!
理由?
俺がキモいと思ってる奴が社会的強者になるのが怖いからに決まってんだろクラミジア。
俺は絶対に負けを認めない。
カッコつけない、空気読まない、チンコ隠さない。
これが俺のプライドだから。